資産価値・出口

築古マンションの売却価格を調べる方法 — 公的な取引データの使い方と価格を左右する条件

確認日 2026-10-17 出典は各段落の注と末尾の一覧に記載 築古マンション再生ラボ AI編集部

結論: 自分のマンションに近い取引の価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」と、指定流通機構(レインズ)が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」で、無料で調べられます。どちらも個別の取引が特定できないよう加工された公的なデータです。調べるときは「同じ地域」「近い築年数」「近い広さ」の取引を集め、総額ではなく㎡単価で比べるのが基本です。そのうえで、管理の状態や耐震基準、建て替えの検討状況といった、データの数字だけでは見えない条件を確認します。

この記事は、築30〜50年のマンションを持ち、売却も選択肢の一つとして考え始めた方に向けて、価格の調べ方と、価格を左右する条件を公的資料で整理したものです。売却の時期や是非を勧めるものではありません。

この記事の内容は、2026年10月17日に確認した公的資料に基づきます。出典は各段落の注に記載しています。

1. 公的に調べられる2つの価格データ

データ元になっている情報調べられる場所
不動産取引価格情報国土交通省が、取引当事者へのアンケート調査の回答を、個別の物件を特定できないよう加工したもの1不動産情報ライブラリ
成約価格情報指定流通機構(レインズ)が保有する取引価格情報を、国土交通省が個別の取引を特定できないよう加工し、レインズ・マーケット・インフォメーション(RMI)で公表しているもの1不動産情報ライブラリ、RMI

不動産取引価格情報は、2006年4月から蓄積されている制度で、2025年3月31日時点で約547万件、そのうち「中古マンション等」は893,567件です。提供される項目は、所在地(町・大字レベル)、取引時期、取引価格(有効数字2桁)、床面積、建築年、最寄駅、用途地域などです2。

成約価格情報は、不動産会社がレインズに登録した物件のうち、売買が成立したものの価格です。不動産情報ライブラリの検索画面で調べられるのは2021年(令和3年)2月以降の分です3。

両者は元の情報が違います。不動産情報ライブラリの利用規約は、同じ取引の情報が両方に掲載されている場合があるとしています1。件数を数えるときは重複に注意が必要です。

2. 不動産情報ライブラリでの調べ方

不動産情報ライブラリのマニュアルに沿うと、手順は次のとおりです4。

  1. トップ画面の「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」を押す
  2. 地域選択: 「住所からの場合」は都道府県・市区町村・地区を、「路線・駅名からの場合」は地方・路線・駅を指定する
  3. 価格情報区分選択: 「不動産取引価格情報」「成約価格情報」のどちらか、または両方を選ぶ
  4. 種類選択: 「中古マンション等」を選ぶ(成約価格情報で選べるのは「土地と建物」と「中古マンション等」のみ)
  5. 時期選択: 取引時期を指定し、「一覧表示」を押す

検索結果の一覧では、項目ごとに並べ替えや絞り込みができ、「詳細表示」で1件ごとの内容を確認できます。条件に合うデータはCSVファイルでダウンロードすることもできます4。

使うときの注意点は、利用規約にも書かれています1。

3. レインズ・マーケット・インフォメーション(RMI)での調べ方

RMI は全国指定流通機構連絡協議会が運営するサイトで、東日本・中部圏・近畿圏・西日本の4つの指定流通機構が保有する全国の成約価格などを検索できます5。利用は無料(インターネット接続費用を除く)です6。

公式ヘルプによる操作は、「マンション」か「戸建」を選び、都道府県と地域を選んで「検索する」を押す、という流れです。結果はグラフと取引情報の一覧で表示され、追加の条件で絞り込めます。「マーケット情報」の画面では、選んだ条件の直近2年間の平均的な取引情報を見られます7。

RMI は、個別の取引が特定できないよう、次のように表示を丸めています56。

項目表示のしかた
価格百万円単位(十万円の位を四捨五入)
面積実際の面積に5㎡の幅を持たせて表示
成約時期3か月の範囲で表示
所在地丁目単位の情報は出さない

検索条件に合う取引が10件に満たない場合は、原則として結果が表示されません8。地域を細かく絞り過ぎると何も出ないことがあるため、まず広めの地域で検索してから絞り込むと使いやすくなります。

4. 調べた数字の読み方

㎡単価で比べる。 総額は広さに左右されます。取引価格を専有面積で割った㎡単価にそろえると、広さの違う取引を比べやすくなります(試算式: ㎡単価 = 取引価格 ÷ 面積)。RMI は面積に5㎡の幅があるため、㎡単価もおおよその値になります。

築年数をそろえる。 築年数によって価格の水準は大きく違います。参考に、東日本不動産流通機構の資料では、首都圏の2025年の中古マンションの平均成約㎡単価は、築0〜5年が143.64万円、築31年以上の3つの築年帯は40.40万〜47.50万円でした。同機構は「築30年超は2,000万円台」と成約価格をまとめています9。

出典: 東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」(2026年2月25日公表)。東日本レインズ https://www.reins.or.jp/

これは首都圏(1都3県)の平均値で、全国やほかの地域にそのまま当てはまるものではありません。同じ首都圏の中でも地域によって水準は大きく異なります。自分の物件の目安は、RMI や不動産情報ライブラリで同じ地域の取引を見て確かめてください。

時期を確認する。 取引時期が古いデータは、いまの水準と違う可能性があります。マンション価格全体の動きの参考として、国土交通省の不動産価格指数では、全国のマンション(区分所有)は2025年12月分(季節調整値・速報値)で225.1(2010年平均=100)でした10。ただし同指数は、2026年1月分以降の公表が延期されています(2026年9月28日のお知らせ)11。築年数別の指数ではない点にも注意が必要です。

5. 価格を左右する条件

公的な取引データは、同じ地域・築年数・広さでも価格に幅があります。その幅を生む条件のうち、公的資料で確認できるものを整理します。

立地・面積

不動産情報ライブラリの利用規約は、取引価格には立地、接道状況、面積、用途といった物件固有の性質が反映されるとしています1。同じ市区町村の中でも、最寄駅や駅からの距離で価格は変わります。不動産情報ライブラリでは「路線・駅名から」の検索もできるため、同じ駅の取引に絞って比べる方法があります4。

管理の状態(管理計画認定)

2022年度から、一定の基準を満たすマンションの管理計画を地方公共団体が認定する「マンション管理計画認定制度」が始まっています。基準には、総会を年1回以上開いていること、長期修繕計画の期間が30年以上で残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること、修繕積立金の平均額が著しく低額でないことなどがあります12。

国土交通省は、管理状況が「見える化」されることで、認定マンションが市場で高く評価されることが期待されると説明しています。認定マンションの買い手は【フラット35】の金利引下げを受けられ、認定マンションは公的な一覧や民間の不動産情報サイトでも公開されます12。なお、認定の有無で取引価格がどれだけ違うかを示す公的な数値は、今回の確認では見つかりませんでした。修繕積立金の水準の見方は修繕積立金の目安はいくらかで整理しています。

旧耐震かどうか

1981年以前に建築確認を受けた旧耐震のマンションでは、買い手の住宅ローン控除で耐震の要件が問題になります。中古住宅の控除は、1982年1月1日以後に建築されたものか、耐震基準に適合すると証明されたものなどが対象です13。【フラット35】でも、建築確認日が1981年5月31日以前の住宅には耐震評価基準等への適合が求められます14。買い手が使える制度が変わるため、売却の条件にも関わります。詳しくは旧耐震マンションを売るときに知っておきたいことをご覧ください。

建て替えの検討状況

建て替えの決議の多数決要件は原則5分の4で、法律が定める一定の客観的事由(耐震性の不足など)がある場合は4分の3に下がります15。決議の要件はマンションを建て替えられる基準で整理しています。

建て替えた場合に元の区分所有者がどれだけ負担なく新しい住戸を取得できるかは事例ごとに大きく異なり、当サイトの調査では、建て替えの前後で売却価格がいくら変わったかを示す公表データは見つかっていません。公表事例の還元率と負担額はマンション建て替えで資産価値はどうなるかにまとめています。

6. 公的データで分かること・分からないこと

分かること分からないこと
同じ地域・近い条件の過去の取引価格の範囲自分の住戸が実際にいくらで売れるか
築年数や広さによる水準の違い階数・向き・室内の状態などの個別の条件の影響
時期による価格の動き管理の状態や建て替えの検討状況が価格に与えた影響

公的データは相場の範囲をつかむ入口です。実際の売却価格は、物件ごとの条件と、売り出したときの買い手の状況で決まります。具体的な金額は、複数の不動産会社の査定などで確認してください。

まとめ


この記事は、確認日(2026年10月17日)時点で公開されている国土交通省、全国指定流通機構連絡協議会、東日本不動産流通機構などの公的資料をもとに、AI編集部が作成したものです。個別のマンションの価格を示すものではなく、売却・購入を勧めるものでもありません。売却・購入の判断はご自身の責任で行い、個別の価格は不動産会社等にご確認ください。不動産情報ライブラリ、RMI、東日本レインズへのリンクは各サイトのトップページへのリンクで、各機関が本記事を監修・後援しているものではありません。

出典・注

  1. 国土交通省 不動産情報ライブラリ「利用約款」第2条(4)(5)、第3条(4)、第5条。出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ (トップページ。同サイトはリンクをトップページに限っています)(確認日 2026-10-17) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  2. 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」(件数は令和7年3月31日現在) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html (確認日 2026-10-17) ↩

  3. 国土交通省 不動産情報ライブラリ「コンテンツの出典」4 成約価格情報(整備範囲: 検索画面 令和3年2月以降)。https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ から「利用約款・ヘルプ」へ(確認日 2026-10-17) ↩

  4. 国土交通省 不動産情報ライブラリ「Webの利用方法(不動産価格(取引価格・成約価格)情報)」1.1 検索条件設定エリア、1.2 検索結果一覧表示エリア。https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ から「マニュアル・ヘルプ」へ(確認日 2026-10-17) ↩ ↩2 ↩3

  5. 同「初めてご利用するかたへ」(提供するサービスについて、管轄区域)。http://www.contract.reins.or.jp/ から(確認日 2026-10-17) ↩ ↩2

  6. 同「よくあるご質問」(費用、個人情報への配慮)。http://www.contract.reins.or.jp/ から(確認日 2026-10-17) ↩ ↩2

  7. 同「ヘルプ」(トップページ、検索結果、マーケット情報)。http://www.contract.reins.or.jp/ から(確認日 2026-10-17) ↩

  8. 全国指定流通機構連絡協議会「レインズ・マーケット・インフォメーション」トップページ http://www.contract.reins.or.jp/ (確認日 2026-10-17) ↩

  9. 公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」(2026年2月25日)p.1、p.5 図表6 中古マンション成約状況。東日本レインズ https://www.reins.or.jp/ (同機構の求めに従いトップページにリンクしています)(確認日 2026-10-17) ↩

  10. 国土交通省「不動産価格指数(令和7年12月・令和7年第4四半期分)を公表」(2026年3月31日)p.1 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001991493.pdf (確認日 2026-10-17) ↩

  11. 国土交通省「不動産価格指数」ページのお知らせ(令和8年9月28日「不動産価格指数」の公表延期について) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html (確認日 2026-10-17) ↩

  12. 国土交通省「マンション管理計画認定制度」(制度の概要、マンション管理計画認定基準、管理計画認定を取得することのメリット) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/keikakunintei.html (確認日 2026-10-17) ↩ ↩2

  13. 国税庁 タックスアンサー No.1211-3「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-3.htm (確認日 2026-10-17) ↩

  14. 住宅金融支援機構【フラット35】「中古住宅の技術基準の概要」 https://www.flat35.com/business/standard/used/index.html (確認日 2026-10-17) ↩

  15. 法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)p.11「建替え決議の要件緩和」 https://www.moj.go.jp/content/001460460.pdf (確認日 2026-10-17) ↩